生産林化を目指して資源化した元放置竹林

その後、どうなっているか定期的にモニタリングしています。

論より証拠。
写真でお楽しみください。
場所:京丹後市峰山町内
管理開始年月:H23.10
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こちらは冬に撮った写真です。整備していない隣の竹林(写真上)はきれいにお辞儀していました。
整備した竹林(写真下)はご覧のとおりです。
立竹密度の違いだけで出た差です。
畑と同じく間引き管理は大切なんですね。
雪が降ってやせた土質の多い丹後の場合、ことごとく上の写真のようになりますのでご注意ください(特に人家の裏に放置されて5年以上経った竹林がある方)。
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上は5月現在の様子。
今年はどこも筍がたくさんあがっているそうですが、隣の放置竹林と比べたら差は歴然。
地元のHさんも「今年はよ~けあがっとるでぇ、もうなんぼんもぼったで」とのこと。
それでもまだまだ出てきます。
私たちも4本ほど掘ってその日のうちにゆでて焼いて旬の香りと味を堪能しました♪
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元気のいい筍です。
もちろん細いのもあり、いろいろです。
(今春は昨年整備した結果は日当たりがよくなったくらいのもので、そんなに結果に表れているとは思えません。竹を粉砕して作っている竹たい肥(熟成中)をまいて来年がどうなるか、ですね。)
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たい肥まきは6月上旬と9月頃を予定しています。
文責:みみず

菜園作りワークショップ開催しました!

こんにちは! 
エコネット丹後 未来の食卓研究会の 中西です

先日、未来の食卓研究会の主催で
菜園作りワークショップ土作り・種蒔き編を開催しましたので、
その様子を報告します



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まずは、梅本農場の梅本さんの家に集合して
参加者のみんなで軽く自己紹介タイム


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梅本さんの家の前のハウスの見学
「このハウスは何年間か土作りをしているので、とってもいい土になってきてます。
今日はこれから、新しいハウスに行ってみんなで土作りをしましょう」 と梅本さん。

RIMG3447.JPGまずは土がよくなってきているハウスの観察です

いろんなハーブや草や野菜が育っていてなんだか気持ちがいいです
「ここは癒し空間ですね~」と参加した方


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そして、新しいハウスに移動
今は何も育てていない状態ということもありますが、
確かにさっきのハウスと違って、なんかさみしい感じです

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さあ、土づくり!
まずは、これ、竹炭です
この竹炭は、丹後の荒れた竹林を整備して出た竹を炭にしたもの

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土作り先生のみみず君から、竹炭効果の説明タイム

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みんなでせっせと 炭を撒きます

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うんしょ、うんしょ

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お次はこれ、カニの殻!
これは丹後のお宿でお客さんが食べたカニの殻です

カニ煎餅みたいないい香り


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これも撒きます

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うんせ、うんせ

RIMG3467.JPGこんな感じ

この後、落ち葉を撒きました
後で梅本さんが機械を使って土と混ぜて完成です
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ハウスのはじに、カツオ菜を発見


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ちょっと休憩して、梅本さんのお話タイム

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「春にでてくる、この先のところの花芽
ここには、冬の間に体に溜まった悪いもの(毒素?)を
排出してくれる苦い成分があるんですよ〜
この成分は山菜とかにも入ってるよ
だから、春に花芽や山菜を食べるのは、体にいいんだよ〜」


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ふむふむ、勉強になるな〜
どれどれ パク 苦〜い

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そして、今日、種蒔きをするお隣のハウスには
カニ殻と、落ち葉を撒きました

これも丹後の山の落ち葉です

竹も、カニも、落ち葉も全部自然にあるもの
梅本さんの畑は、海や山と繋がってるんですね

「食べても大丈夫なものしか、うちの畑には入れないんですよ〜
畑に入れるものは、全部、自分で食べてみて確認するんです」
と梅本さん


RIMG3483.JPGここで、ひと休み

お茶タイムです



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さあ、種蒔きです!
自分の撒きたい種を選んでね〜

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今日撒くのは、小松菜、小かぶ、春菊、ほうれん草の種と、ネギの苗です。

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梅本さんから蒔きかたの説明タイム
「虫さんが好きな小松菜と小かぶは畝の内側に
虫さんがあまり好きじゃない ほうれん草と春菊は外側に
その間に ネギを植えてください
そうやって、いろいろ一緒に育てることで、虫さんもあまりこないんですよ」

ふむふむ 

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さあ、種蒔き種蒔き!
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みんなでどんどん種を撒きます
みんなでやると、楽しいしあっという間に終わるんですよね

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ネギの苗を植えて、完了です!
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そして、各自のお弁当をひろげてお昼ごはんタイム!
梅本さんの奥さんが作ってくれた
梅本農場のお野菜たっぷりの美味しいお味噌汁もいただきました!
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そして、種蒔きが早く終わったので、
予定になかった、人参掘り掘り大会!
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掘ったど〜
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大漁だ〜!

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こんなかわいいミニ人参もあるよ!
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掘った人参は全てお土産という梅本さんの大サービス!

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人参掘りって楽しいですね!
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そして、公民館に移動して、有機農業を扱ったテレビ番組の鑑賞会
30年前から有機農業に取り組んでいた方のお話でした。
鑑賞会の後は、おやつタイム!
美味しいシフォンケーキをパクパクして
コーヒーや紅茶をいただきました
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今日は楽しかったですね〜
さっきのビデオの農家さんすごいね〜
などなどフリータイム
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そして最後の感想タイム
ひとりひとりに拍手です
パチパチパチパチ
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僕もいるよ
と、途中から参加の方や小さいお子さんも含めると
総勢25人の方が参加してくださいました
ありがとうございました!
みんなで竹炭やカニ殻を撒いた土がどうなっていくのか
みんなで撒いた種がどんなふうに育つのか
楽しみですね
次回は 5月12日に山に落ち葉を集めにいく
「もりもり編」を行う予定です
是非ご参加ください!

エコ技セミナー満員御礼!

こんにちは、またまた「田舎で働き隊」のK,Nです。
今年は雪が多かったようですね。
僕は生まれてからずっと東京暮らしだったので、丹後レベルの雪は初体験。
普段は、有機野菜農家の「梅本農場」さんで研修生させてもらっているのですが、
雪の中から大根や人参を掘り出すのは、なかなか骨の折れる作業です。
腰が痛い。。。
さて僕の今回の任務は、エコネット丹後が市内各地で開いている

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まずは開催場所の「久美浜町鹿野公民館」に到着。
入口のポストがいい味だしてますね。
さあ平日午後2時からのセミナーに何人の方が参加してくださるのかな?
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なんと24名もの地域の方が聞きに来てくださいました!
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まずは、O君から
・エコネット丹後がどんな団体なのか
・生ゴミ回収事業について
・生ゴミからでる液肥の利用方法
などについての説明です。
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今回初めて講師を担当したO君でしたが、
さすが、生ゴミ回収担当者!
現場を知っている人ならではの簡潔かつポイントを押さえた説明でした。
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続いては、M君から
・京丹後の森林、竹林の現状
・竹林の整備と竹の再利用
・たい肥の大切さ
などについてのお話です。
「さて問題です
京丹後全体の面積に占める森林率は次のどれでしょう?
1、5割 
2、7割
3、8割
みなさんどれだと思いますか?」
とさっそく京丹後クイズの出題です。
みなさんはどれだと思いますか?
答えは74%だそうです。 
ん、2と3の間ですね。。。
地域のみなさんはほぼ全員が2か3だったので正解でした。
その中で天然林が7割とのこと
ふむふむ勉強になります。
(ちなみに日本の森林率の平均が66%で
その中の天然林の割合が5割だそうなので、
京丹後は森林も多くて、天然林の割合も多い自然の豊かな地域なんですね。)
さらに、山や畑の表土がどんどん雨に流されている話
なんと世界で年間240億トンもの土が海に流れているとか!
数字が大き過ぎてピンときませんが、とにかくたくさんですね。
表土が流れるということは、栄養分も流れてしまって作物にもよくないし、
川も海も浅くなってしまうし、いろんなマズイことがあるとのこと。
なので、畑の表面の土が流れないように、たい肥を撒いたほうがいいです
という話でした。
などなど、ここには書ききれないいろんな勉強になる話を聞いているうちに
約1時間はあっという間過ぎていました。
M君の熱心な話ぶりが参加のみなさんにも伝わったのか
話が終わると、みなさんから暖かい拍手をいただきました。
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セミナーに参加してくれた方へのお土産は
お花と、竹粉たい肥です。
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用意したのが20セットだったため、何人かの方には
お花か竹粉のどちらになってしまいましたが、
皆さん喜んで持って帰ってくださいました。
満員御礼、大盛況のセミナーでした!
ありがとうございました!

荒れた竹林→美味しい野菜?

こんにちは、前回に引き続き田舎で働き隊のK,Nです。

 

今回は、昨年の12月にお手伝いした竹の粉砕作業のご報告です。

 

この日はとてもいい天気で、絶好の竹林整備日より! 

さあ、竹林整備するぞ〜! とやる気満々でM君と現場へ。

 

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現場に着いてみると、伐採された竹が山積みになっています。

 

またまた地味な予感が。。

 

しかし前回のお手伝いで、竹林整備がいろんな良いことに繋がることを知ったので

やる気満々継続!

 

山積みの竹をガンガン粉砕していくのがこの日の僕の仕事でした。

 

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こちらがこの日の主役の粉砕君(と僕が勝手にネーミング)

すごいパワーで竹を粉々にしてくれます。

 

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「さあ、今日も頑張ってくれよ! 粉砕君!」と話しかけるHさん。

 

2011-12-14 10.19.37.jpgのサムネール画像

さあ、竹を運ぶ人と、粉砕君に竹を入れる人に別れて作業開始です。

 

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僕と粉砕君

 葉っぱごと粉々にしてくれるので、とにかくどんどん入れてきます。

 

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山積みの竹も、粉々になるとすごく少ない量になるんです。

 

 この日作った竹粉は、現場の隣の畑でたい肥として使用するとのこと。

 

M君によれば、竹の粉は良質なたい肥になるそうで、

やっかいものだった荒れた竹林が、美味しい野菜に生まれ変わると思うと

荒れた竹林も捨てたものではないな、と思ったのでした。

竹林の整備から得られるもの

初めまして

「田舎で働き隊」として昨年の9月から京丹後市に赴任中のK,Nです。

 

僕の活動の1つがエコネット丹後のお手伝い。

 

昨年10月に竹の伐採のお手伝いをしたので、遅ればせながらその時のご報告です。

 

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現場に行くと緑の粉の山。これ、なんだと思います?

なんと竹の粉です。なんだか抹茶みたいないい香り。

触るとすごく暖かい、前の日に粉砕機で粉々にして積んでおいたものが

さっそく発酵して熱くなってるとのこと。


これって酵素風呂みたいに使えるのでは!などとはしゃぎつつ、さあ仕事です。

 

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さて、竹を切りましょう。

足の踏み場もないくらい竹が生えてます。

 

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まずはM君が見本を見せてくれます。

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竹を支えているのが僕。

 

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切った竹を運びだして。

 

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運びやすい長さに切り分けます。

 

さあ、僕も切るぞ〜

 

と思ったら、この日の僕の仕事は前日に切った竹の運搬でした。地味だな。。

 

この後、うんせ、うんせと竹を軽トラの荷台いっぱいに載せて、

竹を焼いて炭にするための場所まで運びました。

 

地味な作業でしたが、荒れていた竹林を整備すれば、

1、見た目がきれいになって、景観がよくなる

2、竹林に入りやすくなって、春になったら筍も収穫できるようになる

3、枯れた竹が突然倒れてきたりしなくなる

4、切った竹を粉にしてたい肥にしたり、焼いて炭にすればいろいろな用途に使える


と、美、食、安全、再利用といろんな良いことに繋がっていくとM君から教わって、そんなに良いことがあるなら、またやりたい!と思ったのでした。

1.18(水)エコ技セミナー 筆石区

1月18日(水)丹後町筆石区にて「田舎でできるエコ技セミナー」を開催しました。

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筆石区は京丹後市の「生ゴミ資源化モデル実証事業」で可燃ごみと生ゴミの分別

に取り組んでおられます。

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モデル事業取り組みの様子や、生ゴミに混ざっている混入物の説明、

また、生ゴミ以外の未利用資源も含め、丹後にはたくさんの資源があることから

山の資源の利用についてもお話しました。

 

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*サロン活動や公民館活動で「エコ技セミナー」を利用してみたい地区を募集しています。

参加された方には可愛いお花の苗2ポットと丹後の竹を粉にした竹粉サンプルを差し上げます。

丹後の資源をお花作りや野菜作りに利用してみませんか?

 

11月エコネット定例会議

毎月行われているエコネット定例会議。

通常は毎月8日に行われているんですが、11月は諸々の事情で23日に・・・。

現在継続中の事業報告や、新規事業提案などなど、

会議内容は毎回てんこ盛り(*^_^*)

各役員、スタッフさんの熱い想いもあり・・・遅くまで会議が続きます。

 

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BDFで農作業

バイオディーゼル燃料を農機具に使ってもらっています

京丹後市網野町郷の松本さんです。

 

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稲刈りをした後の田んぼで、切り株(?)をさらに刈っておられました。

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名水で有名な網野町切畑方面に進んで小高くなったところが松本さんのたんぼです。

とても静かです。きっと水も空気もとても澄んでいるのでしょう。

そして、この道は何と!「参勤交代の道」だそうです。

あ、でも参勤交代ってのは各地の大名が江戸に行ったり帰ったりする事じゃなかったかな、、、

わざわざこの道を通って江戸に?

それともいわゆる丹後の中での参勤交代のようなもの、って意味で

峰山のお城に向かう道だったのか?

と、関係ない事を気にしながらふと振り返るとそこには「西山のテレビ塔」が。

(写真見にくいですが画面の左端の方です)

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テレビ塔がこの角度でこんなに低く見えるなんて。

位置関係をよく考えてみると峰山のお城は案外近いかも。

やっぱりこの道はお城に続く道なのでしょう。

mini_P1160788.jpg 猫に見えるお地蔵様。

 

秋の山と秋の野菜

先週は丹後町筆石区内にて、

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今週は峰山町荒山区内にて、山を整備し竹や雑木を粉化しました。

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うっそうとした竹林が見違えるように明るくなりました。

粉化したものは堆肥の原料になります。詳細は追ってご報告いたしますのでお楽しみに。

 

 

さて、秋のお野菜が美味しい季節になりました。

梅本農場さん(エコネット丹後メンバーの梅ちゃんとこです)

のお野菜で色々作りました。

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無農薬の有機野菜がとっても体に良いのは当たり前ですが

皮や根っこも食べられるので、野菜くずが全く出ません。

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↑小かぶは半分に切ってじくごと柔らかく煮ました。葉っぱも浅漬けで。

こちらは↓ほうれん草とニンジンの葉っぱのおひたし。ほうれん草は根っこまで柔らかくて美味しいです。

赤紫色に見えるのは、生でサラダとして食べられるほうれん草です。

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体に良いお野菜を食べると、ゴミも減ります。

全て適量で料理をするのでレシピをご紹介できなくてすみません、、、、。

とりあえず、味見とつまみ食いをしながら適当クッキングスタート。

生ゴミ堆肥化学習会(水口テクノス視察)レポート

エコネット丹後の資源化担当Mです。

過日行われました「循環型社会をみんなで考える市民フォーラム」に引き続きまして、
生ゴミ資源化(堆肥化)に関する学習会ということで、今回は生ゴミ堆肥化を行っている
先進地(滋賀県甲賀市水口町)に行ってきましたので、ご報告いたします。

CA3J0046.JPG告知から当日まで期限が短かったのですが、11名が参加しました。

P1070400.JPG水口(みなくち)システムを説明してくださっているダンディーな井狩氏。

まず、水口システムについて紹介です。

このプログラムに参加している市民は、上写真の机の上に乗っている生ゴミバケツに無償配布される種堆肥(手で持っている袋のもの)と生ゴミをサンドイッチにして入れ、週に2回、回収日に収集所においてある収集運搬BOX(ねずみ色の大きな容器)に入れます。

・・・・・・

以上です。
後は㈱水口テクノスが回収し、堆肥化し、再び住民へ種堆肥として配布します。
行政は生ゴミ処理費に代わる委託料を㈱水口テクノスへ支払います。

「手間隙かけて必要以上に細かくする必用はないんです。貝殻だって少し砕いていただければむしろ入れていただいた方がよいくらいです。魚も丸ごと、神様仏様に捧げる生け花だって大丈夫です。」(井狩氏)。

2010年11月26日に開催したフォーラムで議論しましたが、
生ゴミは燃えるゴミに出せばそのまま焼却されます。
生ゴミの主成分は「水」なので水を燃やすのに私たちは税金を払っているようなもの・・・。

お金の問題だけならまだしも、生ゴミは、育まれた命(作物の栄養など)の破片であり、
本来土へ還さなければならない栄養をも含んでいます。
それを他のゴミと一緒に償却することで無駄(粗末)にしていることが問題です。
(一般廃棄物の焼却灰は重金属や時にダイオキシンを含むため資源化しにくく、また、
燃焼過程で化石資源を使用していることもあり、持続可能ではない。)

なぜ堆肥化できない(取組が遅々として進まない)のか?

そこには既存施設や施策との兼ね合い、臭いや収集コスト、住民との協力が必要なことなど越えなければならない壁がいくつかあるようです。

水口システムは、

①無償で
②種堆肥を配布し
③負担に感じさせない努力をしている

ことが特徴で、堆肥化そのものは後述するように、シンプルな方法です。
そこを実現させるまでの取組を諦めずずっとしてきたことが成功の要因です。

住民側の取り組みについては今回は視察できませんでしたので、
以下に回収された生ゴミの堆肥化工程(㈱水口テクノスの取組)をみていきましょう。

P1160730.JPG整然と並ぶ生ゴミ回収(収集運搬用)容器たち。

工程① 生ゴミの収集(同時に種堆肥の配布)

P1160738.JPG⇒工程② 計量(写真なし)
⇒工程③ 堆肥化処理槽に投入して一次醗酵処理(約60日間)

臭いは気になるほどではありません(夏場は若干するそうですが)。

P1160743.JPG⇒工程④ 二次醗酵(熟度の調整など)

この時点ではまだ粗大な生ゴミ(とうもろこしの芯など)やプラゴミも混ざっています。
これらは分解されないだけで問題になりません。

P1160747.JPG⇒工程⑤ 選別

熟成した種堆肥を振るい選別し、粗大なものやゴミと堆肥を分けます。
ここではスプーンや金属も回収されます。

P1070429.JPG回収したプラゴミや金属(スプーンや時には包丁も・・・)。

P1160755.JPG⇒工程⑥ 堆肥袋詰め

ベルトコンベアに乗って流れてきた種堆肥たちを定量供給機と自動袋詰め機で袋詰めします。
一日フル稼働で1,300袋生産されるそうです。

P1160769.JPG⇒出荷され、工程①へ

現在、8,400世帯から生ゴミを回収し、同時に収集所にて種堆肥を無償配布(配給?)しています。

P1160716.JPGおまけ。副原料としても使われる剪定枝等をガラパゴス(写真の重機)で破砕している様子。
後に生ゴミと一緒になります(水分や醗酵調整に重要です)。

以上、工程概略を紹介しましたが、上述以外には収集運搬容器の洗浄、マニフェスト(廃棄物を処理する際に必用な書類)の発行、排水曝気処理などが工程に含まれるようです。

■水口生ゴミ循環エコロジーシステム(水口システム)の特徴(おさらい)
・種堆肥が無償で配布され、生ゴミとのサンドイッチ材料として使用が推奨されている。
< br />ユニークな点として、
・臭いの吸着と醗酵促進、水分調整が生ゴミをバケツに入れた時点で行なえる
・「無償配布」のため余ったら家庭菜園に使ってもいい、ことを許容している

という2点が挙げられます。
生ゴミを出す市民からすれば、とても取り組みやすいシステムと言えます。

■施設側の声(井狩氏談)
・電気をゴミ発電で生み出せる仕組みがあれば尚いい
・取組世帯数を1万世帯にしたい
・堆肥を売らず、無償で配ってきたことが成功の一因
・農業(有機栽培)利用も実証していきたい
・2万世帯までは現状の施設で受入可能
・市への報告はマニフェスト(廃棄物処理伝票)で全て詳細に行っている
・最初は7世帯から始まった
・住民への説明会や勉強会などを行ってきた

■甲賀市の取組概要についてはこちらから。
 メリットなど市民にとっての分かりやすい広報です。

以上、簡単ではありますが報告でした。

■Mの感想
実際に現場を見て、参加者一同納得しているようでした。
この学習の成果は実際に私たちが暮らす丹後で活かしたいですね。

「行政任せではなく、自分たちでできるところからやろう」
とは理事長の締めの言葉。

ほんとに、そう思います。
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訪問先:株式会社水口テクノス 生ゴミ堆肥化センター(滋賀県甲賀市水口町松尾)
参加者:エコネット丹後理事長(野木)、事務局、会員(主婦他)の皆さん。11名。
日 時:平成23年10月12日(水)8:20~19:00
目 的:先進地事例の検証