今日(8月18日)は長岡区の放課後児童クラブへ行ってきました!
恒例の環境出前講座です!
「みんな、朝ごはんを食べてきた人ー?」
「はーい」(子供たち)
ほぼ全員が食べてきた様子(ちなみにご飯は6割、パンは4割でした)。
「良かった。それじゃあ、そのご飯はどこでできているかなー?」
「・・・?田んぼ?」(子供たち)
そう、ご飯(お米)なら田んぼでできますし、小麦なら多くは外国の畑で作られています。
「お米や小麦、魚も含めて、生き物は皆栄養を摂って育っているんだよ。」
ふむふむとうなづいている子供たち。
「それじゃあ、その栄養はどこから来るかな?」
「・・・」(子供たち)
これはちょっと難しい質問でした。
お米も魚の栄養も基本的には水の循環の中で絶えず運ばれてきます。
でも、その水はどこから、どんなふうに運ばれてくるのだろう?
「・・・???」(子供たち)
「よし、じゃあ今日は実験をしよう!」
「やったーっ。何の実験ー?」(子供たち)
「泥水をろ過する実験だよー。
みんなが食べたご飯の材料であるお米や小麦、お魚もみーんな、
きれいな水があってこそだよね。
今日は身近にある土や石などの材料を使って泥水をきれいにするんだよ!」
子供たちは最初、目の前に並べられた土や石などの材料を使ってどうすればいいか「?」マークを顔に浮かべながら、おっかなびっくり手を出し始めました。
「どんどん失敗してもいいから好きなようにやってごらん」
「えー、じゃあ全部使うー」(子供たち)
土や竹の粉にさわりだすと5分もしないうちに、集中し始めます。
真剣な眼!
「うわーーっ!きれいな水が落ちて来たー!!」(子供たち)
必死にろ過材料(ろ材)をろ過機に詰めて実験していきます。
およそ50分間、自由に遊んで実験終了ー。
最後にどうだったか振り返りました。
きれいにろ過できたチーム、出来ないチームがありました。
「どうしてそうなるんだろうね。」
子供たちと一緒に少し考えます。
ゴールや正解はあまり大切ではありません。
どうしてそうなったのか考え、仮説(こうすれば、こうなるだろう)を立てて、検証(実際にやってみる)することが大切です。あと、皆でやる、というのも大事。
今回、子供たちは、一気に泥水を注ぐとあまりきれいじゃない水が出てきて、ゆっくり注ぐときれいな水が出てくることや、ろ過するための材料(ろ材)の種類に加え、詰め方を変えることで結果が違ってくることを「体感」してもらいました。
ちょっと余談ですが、2011年7月、一時間に1,000mmという豪雨が四国を直撃しました。
ここ丹後でも夕立の激しさには慣れっこになっているかもしれませんが、地面や山の斜面に目を向けるといたるところで土壌浸食(流亡)が進み、あちこちで土砂災害が起きています。
今後ますます増えてくることが予想されるこうした災害に対応し、そして積極的に恵みの雨を生かしていくためにも、土や石など身近なものに関心を持つことが大切です。
本日行ったろ過実験も、難しい理屈は理解できなくとも実際に水が浸透してきれいになる(あるいはあまりきれいにならない)様子を体験することで何かを感じてもらえたと思います。
偶然ではありますが、ドバドバ泥水を入れるときれいな水が出来にくいということを体感しました。そしてきれいな水は時間をかけて、一滴一滴できてくることも目の当たりにできました。
土砂災害を引き起こす自然の脅威。気候変動や温暖化は実に身近な問題です。
きれいな水を飲むためにはどうしたらいいか、美味しい朝ごはんを食べ続けるためにはどうしたらいいか、子供たちはろ過実験を通して、その一端を感じることができました。
ありがとうございました!
(撮影:小池民)
(文:みみず)